Q.被害者の方に謝罪文を書きたいと思っています。どのような紙に書けばよいですか?
通常の便せんで大丈夫ですが、できるだけ紙質のよい白無地の便せんを使用します。キャラクターの入ったものなどは使わないようにしましょう。
書く方向は、横書きでも縦書きでも結構です。
Q.被害者の方に謝罪文を書きたいと思っています。日付や名前、宛先や表題はどうすればよいですか?何か決まりごとはありますか?
表題は「謝罪文」と書きます。
宛名は、被害者の方が知人などで、すでにお互いを知っているような場合は、「○○様」とお名前を書きます。しかし、相手の方の名前が分からない場合や、性犯罪など被害者の方が名前を知られたくないであろう場合には、「被害者様」「被害者様ご家族様」「保護者様(被害者が未成年で、両親などに宛てて書く場合)」という書き方をします。書き入れる位置は本文の冒頭部分で、縦書きなら上側、横書きなら左側に寄せて書きます。
日付は清書した日を書き入れ、最後に自分の署名を本文の末尾に書き入れます。署名は、縦書きなら下側、横書きなら右に寄せて書きます。
謝罪文は被害者の方にお渡しするものですから、読みやすい字で丁寧に書き、もし字を誤った場合には、二重線で訂正したりせず、最初から書き直してください。
Q.謝罪文を書く際に、書いた方がよいことはありますか?
被害者の方に事件を起こしたことを正直に認め、被害者の方が被害にあってどのような気持ちでいるかを考え、悲しい気持ち、つらい気持ちにさせてしまったことについて、率直に謝罪の言葉を述べます。
また、被害者の方は、事件によって取調べを何度も受けたり、大切にしている物を証拠として警察に預かられたりするなど、大きな負担が生じています。ご自身が原因で迷惑をかけてしまったことも謝罪するとよいでしょう。
可能であれば賠償することも申し出ますが、できないことを書いて「やはりできません」というのは大変失礼ですので、ご自身ができる範囲のことを書きましょう。
Q.謝罪文を書く際に、書いてはいけないことはありますか?
よく「お許しいただければ幸いです」という表現がみられますが、あくまでも謝罪するものであり、許すかどうかは被害者の方が判断されることです。許して下さいと書くことで、かえって被害者の方の気持ちを逆なでしてしまうことがありますので控えた方がよいでしょう。
また、「刑事処罰を受けることとなると、仕事や家を失ってしまう」といった事情も、あくまでこちら側の都合であって、被害者の方からすれば、自分はそれよりも苦しい気持ちを味わっているとして反発心を起こされてしまいます。
事件を起こしたいきさつや原因を書く場合も、被害者の方が認識されている事実と異なったことを書いてしまうと、言い訳をしていると感じられてしまうこともあります。そのような印象を与えないよう注意しましょう。
Q.被害者の方に謝罪文を書きました。どのようにして相手に届ければよいですか?
逮捕されていて警察署から外に出られないようなときは、弁護士や家族の方から被害者の方にお渡しします。
もし直接お会いできない場合、相手の方の連絡先が分かっていれば、先方のご了承を得て、弁護士や家族の方から被害者の方に郵便でお送りします。
Q.被害者の方に謝罪文を届けました。この謝罪文を刑事裁判で裁判官に読んでもらうことはできますか?
可能です。
被害者の方に渡した謝罪文の写しは、裁判所に証拠として提出することができますので、相手の方にお渡しする前に、必ずコピーを取っておきましょう。
相手の方に、いつ、どのような方法で渡したかということもメモで残しておけば、謝罪の経緯も裁判官に伝えることができます。もしそのような記録を残しているような場合は、弁護士に伝えておきましょう。